1986年のバブル真っ只中に開業した、ロードサイドに建つラブホテルです。
このホテルの特徴であり最大の魅力は、各部屋ごとに設定されたコンセプトを表現するために、空間の機能性を犠牲にし、装飾に徹している点です。
それは「形態は機能に従う」という近代建築の教義とは真逆の設計行為であり、且つ80年代に日本を含む世界中で広がりを見せたポストモダン建築の主義と通ずる部分があります。
80年代後半、日本人が建築に何を求め、どんな夢を持っていたのか、当時の思想の片鱗がこのホテルからも感じ取ることができる気がします。