つくばエキスプレス浅草駅のすぐそば、浅草六区とかっぱ橋道具街のちょうど中間あたりにこのホステルはありました。
カオサンワールド浅草旅館&ホステルはバックパッカー向けの宿泊施設でしたので、本来ここで取り上げるべき施設ではないのですが、
ここで敢えて取り上げたのは、このホテルが元ラブホテルであり、さらにその当時の内装を生かした空間づくりを行なっていたからです。
この建物がラブホテル「ホテルサンフラワー」として完成したのは1982年。
ラブホテルのデザインの変化に大きな影響を与えた新風営法の施行が1985年でしたので、ゴージャスでデラックスな昭和ラブホテルの最後の世代と言えます。
この時期にできたラブホテルは、平成の後半にもなると時代遅れの厄介ものとして、極力シンプルなデザインに改装されたり、廃業し解体されてしまうところも多いのですが、ターゲットをカップルから外国人観光客に変えることで、このような空間も貴重で魅力的な既存ストックとして再生・活用できるということをこのホステルは示してくれました。
2013年11月にホステルとして生まれ変わった後、残念ながら2022年8月を以ってホステルとしての営業も終了してしまいましたが、昭和ラブホテルを観光資源として活用できることを国内で最も早い時期に証明した貴重な事例として、ここに記録を残します。